学校変革を実現する教員研修の開発ー「研修転移」を促す研修デザインー
Society 5.0の到来に伴い、「令和の日本型学校教育」を担う教員の育成が急務となっています。多様化するニーズと変化の激しい教育環境に対応するために、教員の資質・能力の向上、そのための教員研修の改善がより一層重要になっています。NITSは、「教師の学び(研修)」と「子供の学び」は「相似形」であるとして、教師の主体的・対話的で深い学びを実現するための研修観の転換をもとめています。研修の役割として、研修観や学習観の転換を促し、学校変革を実現していくことが求められています。
これまでの研修は、研修実施者にとっての「実施」、教員にとっての「受講」というその場限りのもののように捉えられてきたかもしれません。しかし、教員研修は、教員の資質・能力の向上に寄与するだけでなく、授業や学校現場における校務等の実践の改善や変革に結びつくことで意味を持ちます。研修で学んだことが現場で実践され、成果が生み出されることは研修転移と呼ばれており、研修開発を行う際にはそこまでデザインされている必要があります。
横浜国立大学センターでは、学校変革を促す教員研修の開発を教育委員会と共に行っていきます。
大学と教育委員会による教員研修の共創ー指導主事と研究者の伴走ー
学校変革を促す教員研修を開発していくためには、大学と教育委員会が連携していくことが重要です。これまで、行政研修においては、教育委員会が研修を企画し、大学教員を講師として招聘するという役割分担がほとんどでした。また、評価と改善は教育委員会が実施し、大学が関わることはまれでした。
本地域センターでは、現場のことをよく分かっている教育委員会と理論に長けている大学が連携し、共に教員研修を開発し、評価を行い,改善を考えます。研修をその場限りにするのではなく、研修転移を念頭において教員が学校変革の担い手となるように支援をします。
具体的な取り組みは図のとおりです。大きく3つのフェーズで教員研修について取り組みます。
①研修の理論(講座):学校変革を促す研修転移実現のための教師教育・成人学習・経営学の理論を学ぶための講座の実施
②研修の開発:教科教育、組織マネジメント等の最新の理論に基づく研修の共同開発。教員や管理職、指導主事を対象とした様々な研修を大学と教育委員会の共同で開発をする。
③研修の評価:研修転移支援システムによる研修のリフレクション・改善の支援
①から③のサイクルを繰り返すことで研修の共創に取り組みます。この取り組みは、横浜国立大学センターをハブにし、神奈川県教育委員会、政令指定都市である横浜市、川崎市、相模原市、中核都市である横須賀市で「神奈川県教員研修高度化コンソーシアム」として、共に取り組みます。異なる自治体が連携することで、お互いの取り組みから学び、より効果的な共創が可能になります。
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地域センターが県内の自治体と連携して開発した研修や、授業研究について発信します。
OUTPUT
地域センターが県内の自治体と連携して行った研修開発や授業研究に関する成果を発信します。